1 首都圏の虎 ★ :2020/09/20(日) 22:24:30.74



「カ*テ550円は高い」と叫ぶ男

 「あ、俺先に飲み物買ってきてあげるよ。何がいい?」

 中村知之はニコニコ微笑みながら言う。

 「あ、ありがとうございます、じゃあ、カ*テで……」

 留美は目のやり場に困りながら答える。

 おそらくトレーニングか何かで鍛えているのだろう。彼は逆三角形型のマッチョ体系をしているが、身体に貼りついた服がとにかく窮屈そうで、それがどうしても気になってしまう。

 ――なんであんなピチピチのTシャツ着てるの? 筋肉アピール……? 
 留美はレジに向かった男の後ろ姿をまじまじと眺める。同じくピチピチの半ズボンから伸びたふくらはぎも、歩くたびに隆起する筋肉がやけに目立っている。

 アプリやHPではスーツ姿の印象しかなかったため、まさかこれほど奇抜な私服姿でやって来るとは予想しなかった。

 そしてカ*テを手にして戻って来た知之は、さらに衝撃の一言を口にした。

 「ていうか、カ*テ550円って高くない!?」

 「えっ……」

 しかめ面で突如そう叫んだ彼に、留美は思わず絶句する。

 「まぁシャレてるカフェじゃ、仕方ないかー」

 けれど彼は留美の反応に構うことなく、にこやかに世間話を始めた。

 ピチピチの服は相変わらず気になるが、普通に会話をしている分には感じの良い男である。しばらく平和な会話が続くと、カ*テの件はもしや留美の聞き間違いではないかと思い始めた。

 「本当にさ、コロナもいい加減にして欲しいよな。俺も基本リモートでさ、UberEATSで毎日マジで吉野家しか食べてないんだよね」

 「え、吉野家? でも知之さん、神谷町に住んでるなら、他にも沢山美味しいデリバリーはあるんじゃ……」

 しかしながら、ようやく会話が盛り上がり始めたところで、留美は知之の発言に再び首を傾げた。

 「いやー、『配送料50円』の中から選べってなると、ノーチョイスで吉野家になっちゃうんだよねー」

 その瞬間、留美は「そうなんですね」と笑顔で相槌を打ちながら、『一回目のデートは必ず昼間のお茶のみにする』というルールを設けた自分を心の中で褒め称えた。



全文はソース元で
https://news.yahoo.co.jp/articles/d9babafcd5d1635b4d8cdf02529e4a36b2b0d4fe?page=1

(出典 amd.c.yimg.jp)


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★1 2020/09/20(日) 05:20:15.98
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